とりにっき

にっき(不定期更新)

読ませる文章

野谷茂樹氏の『論理トレーニング101題』の中に、「読ませる文章は接続詞がない」という記述があった。

 

曰く、接続詞があると読む側が引っかかりやすくなるが、接続詞がないとついついするっと読めてしまうらしい。

そこで、文書ごとの接続詞について、ある程度大規模に調べてる研究がないか調べてみた。

 

あった。(3分クッキングの調理したものがこちらになります並感)

 

石黒圭, 阿保きみ枝, 佐川祥予, 中村紗弥子, & 劉洋. (2009). 接続表現のジャンル別出現頻度について. 一橋大学留学生センター紀要第18号

https://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/hermes/ir/re/17605/ryugaku0001200730.pdf

 

ここでは、文数に占める接続詞の数(論文中では接続表現数と呼ばれている)の割合が示されており、小説とか社説では約10%、論文だと25%くらいらしい。すなわち、小説では全体の文のおおよそ1割に接続詞がついている計算になる。

小説と社説(論説文に近いはず)が共に10%であることをふまえると、案外接続詞の数に差はないのかも?という気もしてくる。ただ、現代文のようなゴリゴリの論説文では調査していないっぽいので、『論理トレーニング』で挙げられているような文でも接続詞が10%程度であるかというと議論の余地がありそう。

 

ちなみに、※で挟んだ部分は全部で8文から成っており、そのうち4文で「そこで」「ここでは」「すなわち」「ただ」という接続詞が使われている。

自分は接続詞を多用しがちというのがバレてしまった。